ココロに効く心理学のメニュー

様々な悩みに対する対処法について考えていきます!

ネガティブな感情をリセットしたい人へ

今日は、ネガティブな感情に捉われてしまいがちでその感情をリセットしたい人に「効くメニュー」をお届けしたいと思います。このテーマは精神科医 樺沢紫苑先生の著書「人生うまくいく人の感情リセット術」に記載されている様々な方法から私が特に注目した項目をサマリーしています。詳細はこの記事の最後に掲載されている同書籍にてご確認下さい。

ネガティブ感情をリセットするとは?

樺沢先生は、メールマガジンYouTube 等で様々な悩みに回答されていますが、この書籍を執筆時点で3000件以上回答した悩みのうち、9割以上が「ネガティブな感情」が原因だということに気づいたそうです。

 

ネガティブな感情とは悲しい出来事を思い出しての「後悔」、仕事で結果が出ないことへの「焦り」、人間関係での「イライラ」、将来の自分に対する漠とした「不安」等など。そして多くの人がその「悩みの原因」を除こうとするのですが、それでは悩みは解決しないことが多いのです。

 

それは、他人や環境を変えるのは時間がかかるか、非常に困難なことが多いからです。「感情リセット術」では「悩みの原因」を取り除くのではなく、「ネガティブな感情」をリセットすることで悩みの9割を解決できるとしています。例として「厳しい上司」が嫌いで仕事に前向きになれない場合の悩みの原因は厳しい上司ですが、この上司の性格を変えるとか、違う部署に異動してもらう、というように悩みの原因自体を除去するのは困難です。でも、「厳しい上司」に対する嫌いという「ネガティブな感情」をリセットすることは出来るのです。

 

まず、下記にあげるようなさまざまな脳内物質が感情や気分を決定づけているという事実を知ることが、「感情リセット」の第一歩だということです。

同じ仕事をしていても、ある人にとっては楽しく、ある人にとっては苦しくつらい。それはその仕事をしている時にどんな脳内物質が分泌されているか? それだけの違いだったというのです。だから仕事への取り組み方や姿勢、考え方、ちょっとした受け止め方を切り替えるだけで「苦しい」脳内物質が分泌されている状態から「楽しい」脳内物質が分泌される状態への切り替えることができる。それがネガティブ感情をリセットするということです。しょせんは脳内物質。これを調整することで「苦しい」感情が「楽しい」に変えられます。では、どのようにリセットするのか興味深い点を具体的にみていきましょう。

まず視野を広げる

どこまでも真っ暗な道が続くように感じるネガティブ感情におちいっている人は、今ある目前の「苦しい」ことで頭がいっぱいになり、視野狭窄(視野が狭くなり、周りが見えなくなってしまう状態)に陥ります。山登りしていて苦しいのでうつむいていると、行けど進めど続く足元の山道ばかりが目に入ります。顔をあげて周囲を見渡せば木々の緑、美しい花などの美しい風景が広がっているのですが「苦しい」ばかりに目を向けているとどんな美しい風景も目に入ってきません。それが視野狭窄という状態です。「苦しい」が大半の今の状況でもどこかに楽しい部分、ほっとする一瞬がよく探せば必ず発見できます。苦しい先にには必ず希望があることをまず信じて下さい。

苦しいを乗り越えた自分をイメージする

心理学の実験で今までで一番気が滅入った記憶を一日中考えたグループと、今までで一番楽しかったことを一日中考えたグループの二つのグループから数回採血して免疫機能を調べたところ、楽しい記憶を思い出したグループの方の免疫細胞は数も多く活発でした。それに対し、気が滅入る記憶を思い出したグループは免疫細胞の数が著しく低下し、活動性も低くなり感染症にかかりやすい状態になっていたそうです。実際に今ストレスを受けているかどうかより、頭の中で「苦しい」と感じているかどうかによって、ストレスを受けるかどうかが決まるのです。

 

でも苦しい時に「楽しい事をイメージせよ」と言われてもなかなか簡単ではありません。そういう場合に簡単にできるイメージトレーニングが紹介されています。それは「苦しいを乗り越えた自分をイメージする」ということです。苦しい仕事を片付け終わって美味しい食べ物、飲み物にありついているイメージや、成果をお客様や上司に褒められ感謝された場面の想像、久しぶりの休暇を取ってリゾートに行く計画等です。考えるだけならそう難しくはないかもしれませんね。まずは試してみましょう。

ポジティブに言い換える

 ちょっとした言葉の言いかえで「苦しい」を「楽しい」に変えることが出来ます。例えば、「苦しい」を「これは試練だ!乗り切れば、自分は成長できる!」と言い換えたり、試練の代わりに「挑戦」「チャレンジ」「貴重な体験」「自己成長の糧」などと置き換えるのです。私が好きな言葉は「何事も経験、経験!」です。また、緊張したら「ワクワクしてきた」と言い換え、「まだ3時間も残業しなきゃ」は、「残りたった3時間だ。頑張ろう!」に言い換えるといった具合です。

ストレスのリセット術

 脳科学者のつくったストレスの定義の一つに「自分はストレッサー(ストレスを与える刺激)を制御出来ないと信じている」というものがあります。「自分で制御できるか否か」がすとれすかどうかの分かれ目になるのです。たとえ苦しい状況でも自分でコントロール出来れば、つまり「何とかなる」と思った瞬間にストレスではなくなるのです。つまり、今ある問題の対処法を考えること自体がストレスの解決法になっているのです。そのためには、「考えれば解決できる問題」に絞って考えることです。変えられない状況について思い悩むのは中断して、「今、自分でできること」に必死で取り組むのです。有名な心理学者、エリック・バーンの『過去と他人は変えられない。しかし、今ここから始まる未来と自分は変えられる。』という名言がありますが、まさにこのことを指していると考えます。

言葉として吐き出す

最初に書いたように悩みの原因は消せなくても、悩みは消せる、もしくは軽減できます。そのためには、一人で悶々と悩んでないで言葉にして吐き出すことです。そのためには、次のような方法があります。

  • 誰かに相談してみる(家族、友人、専門家)
  • 感情をアウトプットしてみる(ツイッターFacebook 等)
  • 日記を書く

日記に関しては、一日に起こったポジティブな出来事をたった3項目思い出して、一行ずつ書くということを樺沢先生は推奨されています。それをSNS でシェアしあうというワークに多くの方が参加して効果をあげています。

 

あと二つ、紹介しておきたい項目があります。それは

今まで以上に仲間を大切にする

仲間がいるだけで、その存在がストレス緩和に役立つという医学的データが出ているそうです。仲間がいる、どれだけで、私たちは「心強さ」を感じるです。私自身も仲間がいることによって視野狭窄な状態になっていることに気が付かされたり、仲間に感情や気持ちを表現することで心の平安を感じたるする経験がよくあります。いざという時に話し合い、励ましあい、慰めあえる仲間の存在はとても大事なんですね。

ときにはストレスを受け入れる

いろいろなストレス対処方法を紹介しましたが、ある意味究極の対処法がストレスを受け入れるつまり「上手にあきらめる」ということです。「あきらめる」はネガティブな言葉のように思っていますが、元々は仏教用語で本来の意味は「明らめる=明らかにする」でポジティブな選択をするという意味なのだそうです。

 

以上、著書の中から私なりに重要だと思い、効果がありそうに感じた項目を紹介してきました。この他にもたくさんの項目があり、それらにとても深い内容が含まれています。是非、詳細を樺沢先生の下記書籍で確認していただきたいと思います。黒と青色の二色使いでとても読みやすい文庫本だと感じました。では今日はこの辺で。