ココロに効く心理学のメニュー

様々な悩みに対する対処法について考えていきます!

ストレスに対する精神的な回復力を高めるレジリエンスとは?

「レジリエンス」とは、ストレスが多い現代社会における「精神的な回復力」で、最近はこれを高める技術、つまり自分の心を強くする技術に注目が集まっています。もしかしたら現代人にとってIQや学歴、スキルや経験以上に重要かもしれません。今回はこのレジリエンスについて、日本能率協会マネジメントセンター刊行の「マンガでやさしくわかるレジリエンス」久世浩司著の概要を紹介することで考えていきたいと思います。

レジリエンスとは何か

厚生労働省の平成29年の調査結果でも、就業者の58%が「強いストレス となっているか感じる事項がある」と答えています。その内容は仕事の量・質、仕事の失敗、対人関係が上位3つを占めています。

最近は長時間労働に関する関心が高まり、それゆえに残業が出来ない時間的制約の中で時間に追われミスが許されない状況でストレスが溜まります。そして現在問題になっている「パワーハラスメント」に代表される高圧的で無茶振りする上司との関係や、同僚や部下との関係もストレスの原因になっています。

このようなストレスやプレッシャーに負けずに乗り越えていける力が社会人として生きている上で欠かせません。そこで注目を集めているのが「レジリエンス」です。

レジリエンスとは、「逆境やトラブル、強いストレスに直面したときに適応する精神力と心理的プロセス」と定義づけられています。では、どのような人がレジリエンスが高い人なのでしょうか?

レジリエンスが高い人とは?

心の強さであるレジリエンスが高い人には次のような特徴があります。

  • 回復力
  • 弾力性
  • 適応力

こうした特徴を持つレジリエンスは特別なものではなく、立ち直る力やストレスを跳ね返す心の弾性は、本来は誰もがもっている心理的資源なのです。ところがストレスや失敗体験などが原因でレジリエンスが消耗してしまう事があります;レジリエンスが弱ってしまうといざというときに力を発揮できません。だから普段からトレーニングして置くことが大事だと言われています。ではどうやったらレジリエンスを鍛えることができるのでしょう?

レジリエンスを鍛えるトレーニング

心理学者イローナ・ボニウェル博士が開発した「SPARKレジリエンス・トレーニング」という方法を中心に心の筋肉を鍛える3つのステップによるトレーニングを紹介します。

  1. 底打ち
    困難や失敗に直面することで心が疲れ精神的に落ち込みやすくなる原因となる不安や心配、憂うつ感や罪悪感などのネガティブ感情の連鎖を断ちきり、心の落ち込みを底打ちすることが最初のステップになります。これにひつよなことは「ネガティブ感情をコントロールする方法」と「マイナスの思い込みの対処症」です。

  2. 立ち直り
    もとの心の状態に回復するステップで心の錦糸区を鍛えることで手に入る障害を乗り越えて前進する力が必要になります。立ち直りに必要なのは、「社会的支援を得る方法」と「自信の立て直し方」 です。

  3. 教訓化
    困難を克服した後に過去の逆境体験を振り返り、次につながる意味を学ぶ内省が最後のステップになります。ここでは「仕事で自分の強みを活かす方法」が必要になります。

 次の見出しからそれらの方法について概要を紹介していきます。

 ネガティブ感情にまつわる知識

 最初のステップの底打ちに欠かせないネガティブ感情をコントロールする方法で大切な点は自分でコントロール可能なものに視点を移動するということなのです。

その前にまずネガティブ感情の特徴について知っておくことが必要です。ネガティブ感情には次のような特徴があります。

  • 反芻現象:牛が草を何度も口に戻して噛み直すようにネガティブな感情は心の中でしつこく繰り返されます
  • ネガティブ・バイアス:ポジティブな気持ちはすぐに忘れてしまうが、ネガティブな体験はなかなか忘れられないように強く記憶に残る
  • ネガティブな脳:悲観的でネガティブに考えるくせのある人は大脳皮質の抑制機能が弱まり、理性が不安や恐れの感情で支配され、コントロール出来なくなる
  • 感情バンパイア:相手の感情に影響を与え、その人と接するだけで活力が吸い取られたかのようにかんじさせるタイプの人がいるということ。
  • ポジティブ・エナジャイザー:逆にその人と話すだけで、幸せな気分になり、活力が湧いてくる人
  • 人格:最も多くの時間を共に過ごしている5人の平均として形成される

こうした特徴を理解し、ネガティブな感情から逃げ隠れするのではなく、ネガティブな感情のポジティブな側面にも注目して臨機応変に活用しようとする態度が大切です。

ネガティブな感情のポジティブな役割

怒り:正義感を発揮させ、秩序を守る。怒りの感情を原動力としてやる気を高める。

恐れ:心身のリスクから自分を守る。失敗できないと奮起して動機づけとなる。

不安:自分の身を不透明な状況から守る。何に気をつけるべきか注意を促す。

恥:自己肯定感と自己価値を守る。社会への適応を助ける。

ネガティブ感情をコントロールする技術

ではネガティブな感情を効果的にコントロールする3種類の方法について紹介しましょう。

  1. 感情のクールダウン:安全に気持ちを落ち着かせる方法として呼吸の力を使い、体をリラックスるさせてゆっくり呼吸して生きに意識をむけるマインドフルネス呼吸法等が有効です。
  2. 感情への「ラベル付け」:自分の内面でモヤモヤしていた感情にラベルを貼り「見える化」することで感情と一定の距離をおいて眺めることが脳の抑制機能を活性化させるために有効です。また感情には一次感情と二次感情があり、怒りは二次感情だということに気づき、一次感情は何だ?と考えることも有効です。
  3. 感情の「気晴らし」:怒りや不安な感情にフタをしてそのまま放置しないで、出来るだけ早くガス抜きしておくことが大切です。「気晴らし」とは意識を別の活動に向けることで、その出来事が頭の中で延々と繰り返すという悪循環から抜け出します。例えば、ダンスやエクササイズ等の運動系、音楽演奏やカラオケ等の音楽系、ヨガや瞑想、散歩などの呼吸系、ライティングや日記、手紙などの筆記系等があげられます。

マイナスの思い込みの対処症

 最後にマイナス思考の思い込みの対処法についても紹介しておきます。

このポイントは、「出来事はあくまで中立的で「良い」「悪い」はなく、人の捉え方によってある人にはストレスとなる出来事が、別の人にはなんでもない出来事という場合があるということに気づくことです。

例えば上司に仕事のやり方について細かく注意された場合、ある人は「自分の成長を考えて、足りないところを指摘してくれたのだな」と考え素直に指示を受け入れますが、別な人は「上司ならもっと部下を信用すべきなのに・・・」と捉えて、イライラして腹が立ち怒りの感情が生まれるかもしれません

本書ではこのような思い込みを、心の中で飼っている7種類の「思い込み犬」として紹介しています。

  1. 正義犬(べき思考)
  2. 負け犬(減点思考)
  3. 心配犬(悲観思考)
  4. 諦め犬(無力思考)
  5. 誤り犬(自責思考)
  6. 批判犬(他責思考)
  7. 無関心犬(無責思考)

このような自分の思い込みのパターンに気づき、次のような対処をすることが大切なのです。 

  • 追放する
  • 受容する
  • 訓練・手なずける

このあとも、本書はPart3「社会的支援を得る」、Part4「自信を立て直す」、Part5「自分の強みを仕事に活かす」と続きますがそれについては是非本書を読んで下さい。

 

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

マンガでやさしくわかるレジリエンス [ 久世浩司 ]
価格:1620円(税込、送料無料) (2019/6/8時点)