ココロに効く心理学のメニュー

様々な悩みに対する対処法について考えていきます!

日常生活で自分の力を最大限発揮するスポーツ心理学の教えとは?

大事な試合の前だけでなく、仕事のプレゼンテーションや受験、結婚式のスピーチなど日常の生活の中で自分の力を最大限発揮して最良の結果を得たいときに役に立つ、スポーツ心理学が教えるメソッドを見ていきましょう。

「スポーツ心理学の専門医が教える勝つための脳と心の科学」

今日のお話はもと慶應義塾大学病院の内科医でスポーツ医学研究センターでスポーツ医学を学んだあと、応用スポーツ心理学を用い、個人や組織のパフォーマンスを最適・最大化するメンタルトレーニングを展開し、スポーツ界はもとより、ビジネス界、居生貝、音楽界など幅広く活躍されている辻秀一先生のDVDBOOKで学んだお話を私なりにわかりやすくご紹介したいと思います。内容はズバリ、日常生活にも役立つメンタルトレーニングの方法です。

メンタルトレーニングに役立つ脳や心の仕組み

辻先生は、人間というのは「脳と心で出来ています。」と始めます。身体はもちろんありますが、身体を動かしているのは脳や心の状態で動かしているという意味です。イライラ委している状態や楽しい状態のように心は状態を表し、それは脳の機能が作り出していると説明します。詳しくみると、人間の心の状態には大きく分けて「フロー」と「ノンフロー」に分けられます。「フロー」は楽しい、イキイキ、ワクワク、充実、達成のようなひとことで言うと「機嫌のよい状態」、「ノンフロー」はイライラ、憂鬱、不安、がっかり、ムカつくのような「機嫌の悪い状態」です。そして人間はフローの状態のときにパフォーマンスの質が上がりやすいという仕組みを持っています。反対にノンフローの機嫌の悪い状態のときにはパフォーマンスの質が下がる傾向にあります。良いアイデアを出したり、集中してサクサク仕事をこなしたりしにくかったという経験があると思います。人間は何故、いつもフローの状態でいられないのでしょうか?それは心の状態を作り出す、脳の機能の働かせ方の問題だというのです。

ノンフロー状態を引き起こす脳の機能

脳の機能には大きく二つの機能があり、まず第一の脳である「認知の脳」について見ていきます。「認知の脳」とは簡単に言うと、外界を認識する脳の機能です。環境や出来事、他人という外界との関係で働く機能です。この認知の脳は普段、外界の環境、出来事、他人に言葉を使って意味付けをしています。この意味付けがときに厄介な問題を引き起こします。例えば「今日は雨だから憂鬱だなー」とか、「あの人、ムカつく」というように雨という実態と憂鬱という気分や、あの人という人物に「ムカつく」という意味付けをしてしまっているのです。このように自分が意味付けをしてしまった認知が大暴走してノンフローになってしまうのです。そして普通の人は次のような認知の脳だけを使ってノンフローの状態から脱却しようとします。これを「不快対策思考」と呼んでいます。

4つの不快対策思考
  1. 外界を変えようとする・・・変えられる外界はそう無いのについそう思う
  2. 行動を変えようとする・・・行動は必ず制限されいつも実行できる訳ではない
  3. 気にしない、考えない・・・気にしないと思うほど、その事が気になってしまう
  4. ポジティブシンキング・・・無理やりプラス思考で考えるのは限界があり疲れる

スポーツの大事な試合の前にこの状態では、やるべきことに集中し勝つことは出来ません。そこでスポーツ心理学でこの状態を打破する方法が研究されたのです。

自分を変えることが出来る人の思考法とは?

このように第一の脳である「認知の脳」でノンフロー状態から切り替えるのは限界があります。そこで第二の脳を使えるように訓練する必要があると言うのです。第二の脳とは「ライフスキル脳」と呼ばれ、今までの脳の使い方とは違うのでつけるようになるまで練習する必要があります。第二の脳である「ライフスキル脳」では外界ではなく、内側に向けた「気づき」を大事にします。何に気づけばよいのか?それは冒頭に説明した「心の状態」と「脳の機能」に気づくことです。自分自身で現在の心の状態に気づく。例えば、ただ、「今、フローっぽいな」「機嫌よいよな」とか「ノンフローっぽいな」、「イライラしちゃっているな」、「がっかりしちゃっているんだな」というような具合です。その意味付け、良い悪いの判断は不要です。自分の心の揺らぎに気づくのです。そして脳の機能に気づくとは「今、認知脳で気にしないって考えようとしているな」とか、「無理にプラス思考で考えようとしているな」というふうに気づくのです。こうやって自分自身を見つめる「脳の力」を鍛えることがスポーツでは有効であるとされています。この「ライフスキル脳」で考えることで心に新たな変化を生み、外に依存しないで自己完結的にフロー状態に変えることが出来るのです。

ライフスキル脳を自分のものにする「禅脳思考の実践」

「認知の脳」の「不快対策思考」から脱却し、「ライフスキル脳」にするための思考法が禅脳思考といわれる方法です。50以上の方法があるとわれていますがその中でも特に身に付けたい二つだけが、この本では紹介されています。それは以下の二つです。

禅脳思考その1「一生懸命楽しむ」

結果とか考えずに、ただただ楽しむのです。一生懸命楽しめるようになるにはどうしたら良いでしょうか?ただただ、楽しんで目の前のことをやるだけです。意味付けはやめ、結果を考えず、一生懸命楽しみましょう。これは禅の修行の心得に相通じるものがありますね。

禅脳思考その2「ありがたいと考える」

文句を言って、ノンフローの風を吹かすのではなく、その反対に感謝してフローの風に変えましょう。外界の事柄に対し、無理やり感謝しようと思うのではなく、自分の内側の感覚として、ただ「ありがたいな」と考えるだけでフローな風が吹くのです。

まとめ

このように、禅脳思考で脳の第二の機能を高めることでノンフローから脱却する方法を練習していきましょう。

まとめると、①今までの認知については否定もせず、脇に置いておいて、第二の脳の禅脳思考をアドオン(機能拡張)するイメージで、まず自分の内面の心の状態と脳の機能に気づき、次に「一生懸命楽しむ」と「ありがたいと考える」という方法を身に付けるのです。特に禅脳思考の具体的な方法について、 辻先生の下記の本に沢山掲載されていますので必要に応じお読みください。

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